公立高校入試の歴史並び替え問題

年代の数字を覚えることは重要ではありません。できごとの内容と前後の関係を理解しましょう

歴史並び替え問題第10問(2010年度東京都公立高校入試)

問題

次のア~エは、さまざまな時代における我が国とアジアに進出したと国との結び付きについて述べたものである。時期の古いものから順に記号を並べよ。

我が国は、皇帝の専制政治の下で経済・軍事面での近代化を実現してアジアに進出したロシアと、樺太・千島交換条約を結び、国境を確定して近代国家の条件をほぼ整えた。
我が国は、アフリカの南端を回りインドに至る航路を開拓してアジアに進出したポルトガルと南蛮貿易を始め、この国の人々から技術や食文化などを受け入れた。
我が国は、産業革命をいち早く達成してアジアに進出して「世界の工場」の地位を確立したイギリスと、日英通商航海条約や日英同盟を結んで、政治や経済の面での関係を深めた。
我が国は、ヨーロッパの金融・海運を支配してアジアに拠点を広げたオランダに、長崎の出島でのみ貿易を行う許可を与え、この国の人々から多くの学者らが外国の知識を学んだ。

解答

イ→エ→ア→ウ

解説

イ ポルトガルのアジア進出は、1498年にバスコ=ダ=ガマのインド航路の開拓に始まり、日本との交易は1543年に偶然種子島に漂着して始まりました。南蛮貿易でポルトガルからもたらされた食文化はカステラ、コンペイトウなどです。

 

エ 17世紀(江戸時代前半)のオランダは「黄金時代」を迎え、芸術面でもレンブラントやフェルメールなどの画家たちが活躍しました。

 

ア 1871年(明治4年)に日清修好条規、1875年に樺太・千島交換条約、1876年に日朝修好条規を結んでいます。

 

ウ 日英通商航海条約は1894年に結ばれた領事裁判権(治外法権)を撤廃した条約で、日露戦争後の1911年に改正され関税自主権の回復を達成しました。

 

第9問もそうですが、問題を解くことで新しい歴史の知識や見方を覚えてほしいという東京都教育委員会からメッセージが見て取れます。歴史の好きな生徒には良問ですが、苦手な生徒には問題文が長くてややこしいだけと思われるかもしれません。