公立高校入試の歴史並び替え問題

年代の数字を覚えることは重要ではありません。できごとの内容と前後の関係を理解しましょう

歴史並び替え問題第140問(2012年佐賀県公立高校入試)

問題

次のア~エは、大日本帝国憲法が発布された明治時代のできごとである。年代の古い順に並べ、記号で答えなさい。

天皇への忠義や親への孝行を基本とした教育勅語が発布された。
政府の方針を、天皇が神に誓う形で五箇条のご誓文を出した。
中国との戦争で得た賠償金を使い、官営の八幡製鉄所を建設した。
廃藩置県を実施して、新たに県令や府知事を任命した。

正解

イ→エ→ア→ウ

解説

明治新政府は1868年(明治元年)五箇条の御誓文で政治の方針を示し、1869年(明治2年)に版籍奉還、1871年(明治4年)に廃藩置県を行って中央集権国家を目指しました。

その後自由民権運動がおこり、1889年(明治22年)に大日本帝国憲法が発布され、翌年に第一回の帝国議会が開かれました。

1894年(明治27年)に日清戦争がおこり、翌年の下関条約で日本は清からの賠償金を得ました。

これをもとにして1897年(明治30年)北九州に官営八幡製鉄所がつくられ、1901年(明治34年)に操業開始しました。その翌年に日英同盟が結ばれ、その2年後に日露戦争が始まりました。

明治時代は初期の改革、自由民権運動と憲法制定、日清戦争、日露戦争の4つの時期に分けるとイメージしやすいと思います。

教育勅語は1890年(明治23年)第一回の帝国議会が始まる直前にだされました。

 

歴史並び替え問題第139問(2012年福岡県公立高校入試)

問題

次のア~オのカードは、日本の近現代のおもなできごとをまとめ、見出しをつけたものである。年代の古い順に並べ、記号で答えなさい。

ア デモクラシーと世界大戦

本格的な政党内閣が成立する。

大戦がはじまり、好景気となる。

イ 民主化と経済成長

日本国憲法が施行される。

高度経済成長が始まる。

ウ 近代国家の成立

自由民権運動が広がる。

産業革命がはじまる。

エ 世界恐慌の影響

五・一五事件がおこる。

不況が農村に打撃をあたえる。

オ 国民生活の統制

大政翼賛会が発足する。

生活必需品が配給制になる。

正解

ウ→ア→エ→オ→イ

解説

明治、大正、昭和ひとけた、昭和10年代、昭和20年代の政治と経済に関する問題です。

日本の民主主義思想は明治時代の国会開設を求める自由民権運動によって広まり、1880年(明治13年)に国会期成同盟が結成され、運動は最高潮を迎えました。その後、自由党や立憲改進党などの政党が結成されました。

時代が進むにつれて選挙権は拡大され、大正デモクラシーとよばれる民主主義・自由主義の風潮が広まりました。、1918年(大正7年)には本格的な政党内閣である原敬内閣が発足しました。

政党内閣は、五・一五事件で海軍将校に犬養毅首相が射殺されたことで終りを迎えました。世論は政党に冷たく海軍将校に同情的でした。その理由には政党の腐敗、世界恐慌による不況、満州事変で満州国を認めなかったこと、ロンドン海軍軍縮条約への不満などがあります。

日中戦争の泥沼の状況の中、日本の政治は行き詰まり、すべての政党が解散し大政翼賛会が結成されました。

第二次世界大戦後、1947年(昭和22年)日本国憲法が施行され、戦後の民主主義政治が始まりました。

 

日本の産業革命は1880年代後半(自由民権運動の後期)に綿糸紡績業や製糸業などの軽工業で始まり、1901年の官営八幡製鉄所の操業開始から重工業も発展し始めました。

1914年(大正3年)に始まった第一次世界大戦によって、日本のヨーロッパ向けの輸出が増大し、大戦景気と呼ばれる好景気に入りました。

1929年(昭和4年)に始まった世界恐慌によって、日本ではアメリカ向けの生糸輸出が激減し、価格が暴落、養蚕業が盛んだった日本の農村は深刻な打撃を受けました。

日中戦争の泥沼の中、日本は総力戦体制を築くため、1938年(昭和13年)国家総動員法が制定され、生活必需品の配給制が実施されました。

戦後の日本経済は、1950年(昭和25年)の朝鮮戦争をきっかけに回復し、1950年代後半から高度経済成長期を迎えました。

 

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歴史並び替え問題第138問(2012年福岡県公立高校入試)

問題

次のア~ウは下記の略年表中のA~Fのいずれかの時期の社会の様子を示している。ア~ウがあてはまる時期を一つずつ選び、記号で答えよ。

  1. 大化の改新が行われる
  2. 平安京に都が移される
  3. 院政が始まる
  4. 承久の乱がおこる
  5. 応仁の乱がおこる
  6. 江戸に幕府が開かれる
  7. 日米修好通商条約が結ばれる
本百姓の中には、土地を集めて地主になる者や土地を失って小作人になる者があらわれた。
京都では町衆が中心となって町ごとの団結を強めて自治を行い、祇園祭を復興した。
口分田が不足してきたため、新しく開墾した土地であれば永久に私有することが認められた。

正解

ア→F イ→E ウ→A

解説

アは743年の墾田永年私財法のことで、奈良時代のできごとで平安京に都を移す前のできごとです。

祇園祭は平安時代に始まる京都の伝統行事で、応仁の乱(1467年)によって途絶えましたが、町衆と呼ばれる京都で自治組織をつくった有力な商工業者が復興させました。

室町時代、戦国時代のキーワードは「自治」です。村では惣(惣村)と呼ばれる自治組織がつくられ、山城の国一揆(京都府)や加賀の一向一揆(石川県)、京都のほかにも堺、博多の貿易都市で自治が行われました。また戦国大名は分国法を作って領地を治めました。

江戸時代に入ると農村でも貨幣経済が浸透し、商品作物がつくられるようになりました。商品作物とは、年貢や自家消費のためでなく、販売を目的とした木綿や菜種などの作物のことです。商品作物の栽培によって農民の貧富の差が拡大していきました。

  

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