公立高校入試の歴史並び替え問題

年代の数字を覚えることは重要ではありません。できごとの内容と前後の関係を理解しましょう

歴史並び替え問題第103問(2012年埼玉県公立高校入試)

問題

次のア~エは、明治時代から大正時代にかけてのできごとについて述べたものです。年代の古い順に並べかえて、記号で答えなさい。

ポーツマス条約が結ばれ、北緯50度以南の樺太の日本への割譲が認められた。
ワシントン会議が開かれ、日本は山東省のドイツから引き継いだ権益を中国に返した。
満州を事実上占領したロシアに対抗しようと、日本はイギリスと日英同盟を結んだ。
イギリスとの間で、領事裁判権の撤廃を定めた日英通商航海条約が結ばれた。

正解

エ→ウ→ア→イ

解説

江戸時代末に結ばれた不平等条約の改正は明治政府の大きな課題で、1894年(明治27年)日清戦争の直前にイギリスと日英修好通商条約を結び、領事裁判権が撤廃されました。関税自主権の回復は日露戦争後の1911年(明治44年)でした。

1902年(明治35年)ロシアに対抗するため日英同盟が結ばれ。1904年(明治37年)に日露戦争が始まり、翌年にポーツマス条約が結ばれ戦争は終わりました。

ポーツマス条約で日本は樺太の南半分、旅順と大連の租借権、南満州鉄道の権利等を得ましたが、賠償金を得られなかったことから条約に反対する国民も多く、日比谷焼き討ち事件がおこりました。

日本は日英同盟を理由に第一次世界大戦に参戦し、山東省のドイツ軍と戦いました。この時得た山東省の権益は1919年(大正8年)のベルサイユ条約で認められましたが、1921年に始まったワシントン会議で中国に返還されました。また、この会議では海軍の軍縮、日英同盟の解消、中国の領土保全及び門戸開放等が決められました。

 

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