公立高校入試の歴史並び替え問題

年代の数字を覚えることは重要ではありません。できごとの内容と前後の関係を理解しましょう

歴史並び替え問題第133問(2012年徳島県公立高校入試)

問題

次のア~エは、国民がラジオから知ることのできたできごとである。年代の古い順に並べ、記号で答えなさい。

ポツダム宣言の受諾
大政翼賛会の結成
中華人民共和国の成立
日中戦争の開始

正解

エ→イ→ア→ウ

解説

中国では1911年(明治44年)辛亥革命によって清が倒れ、アジア初の共和国である中華民国が誕生しました。時期的には日露戦争(1904年)と第一次世界大戦(1914年)の間です。

1931年(昭和6年)日本の関東軍は満州事変を起こし中国軍と戦闘なりました。満州国が建国され、1933年(昭和8年)に両軍は停戦しました。

日中戦争は1937年(昭和12年)に偶発的な衝突から始まり、全面戦争に拡大しました。この戦争によって中国からの撤兵を求めるアメリカとの対立は深まりました。

1939年(昭和14年)ヨーロッパで第二次世界大戦が始まると、翌年に日本はドイツと同盟を結ぶことでアメリカと対抗しようとしました。また、国内では挙国一致体制を取るためにすべての政党が解散し、大政翼賛会が結成されました。

中国問題から日本はアメリカからの経済制裁を受けるようになり、これを打破するために日本はアメリカとの戦争を選択し、1941年(昭和16年)太平洋戦争が始まりました。

1945年(昭和20年)ドイツが降伏した後、その首都ベルリン郊外のポツダムでアメリカ・イギリス・ソ連の首脳会談が行われ、日本に無条件降伏を要求するポツダム宣言が出されました。ちなみに当時のソ連は日本と中立条約を結んでおり、宣言はアメリカ・イギリス・中華民国の名前で出されました。

宣言が出されたあと日本は2度の原子爆弾の攻撃を受け、さらにソ連の参戦もあって、ポツダム宣言を受諾し、無条件降伏しました。

日本が撤兵したあとの中国では農村部で力をつけた中国共産党と中華民国政府(国民党)による内乱が始まりました。内乱は中国共産党の勝利に終わり、1949年(昭和24年)中華人民共和国が成立し、国民党の勢力は台湾に逃れました。

満州事変と日中戦争、中華民国と中華人民共和国などまぎらわしい用語を区別して覚えましょう。

   

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  • 作者:天児 慧
  • 発売日: 2013/08/22
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