公立高校入試の歴史並び替え問題

年代の数字を覚えることは重要ではありません。できごとの内容と前後の関係を理解しましょう

歴史並び替え問題第116問(2012年長野県公立高校入試)

問題

下記の年表中のAの期間におきたできごとして適切なものを、次のア~オから3つ選び、古い順に記号で答えなさい。

  1. 8世紀 朝廷が墾田永年私財法をだす
  2. 13世紀 幕府が徳政令をだす
白河上皇が院政をはじめた。
建武の新政がはじまった。
壬申の乱がおこった。
藤原道長が摂政となった。
保元の乱がおこった。

正解

エ→ア→オ

解説

墾田永年私財法がだされたのは743年で奈良時代の中盤で、徳政令が初めて出されたの1297年で、鎌倉時代の後半です。

壬申の乱は672年の天智天皇の後継者を巡る争いで、律令制が完成する前のできごとです。

743年の墾田永年私財法によって律令制の基盤であった公地公民の制度は崩れ、これ以降、私有地である荘園が発達し、そこから武士が誕生しました。

平安時代以降は、藤原氏の摂関政治、白河上皇が始めた院政、保元の乱の後の平氏政権、さらに鎌倉幕府の成立と時代が下がるにつれて、より実際の武力や地方の荘園に近い勢力が権力を得ることになりました。(藤原道長が摂政になったのは1016年、院政の開始は1086年、保元の乱は1156年で70年間隔、65年後の1221年は承久の乱)

鎌倉時代後半になると、御家人は分割相続や貨幣経済の影響で困窮する者が増え、幕府は1297年借金の帳消しを命ずる徳政令を出して御家人を救済しようとしました。しかし、徳政令は経済の混乱を招き、鎌倉幕府の実権を握る執権北条氏への反発が高まり、後醍醐天皇による建武の新政(1334年)が始まる一つの原因になりました。

 

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