公立高校入試の歴史並び替え問題

年代の数字を覚えることは重要ではありません。できごとの内容と前後の関係を理解しましょう

歴史並び替え問題第53問(2011年東京都公立高校入試)

問題

次のア~エは明治時代から昭和時代にかけて新しい道具が現れた時代背景と新しい道具の利用について述べたものである。時期の古いものから順に記号を並べよ。

国際連合に加盟して国際社会への復帰を果たすとともに、貿易などで経済力が高まり、好景気が実現した。
芝浦の製作所で電気炊飯器の製造が始まり、食事の準備に利用された。
郵便制度が発足し、学制が定められるとともに、太陽暦の採用で24時間制が実現するなど、近代国家の基礎となるさまざまな仕組みが整備された。
日本橋に設置された交通通信を管轄する官庁をはじめ全国の郵便役所などに掛け時計が掲げられ、正確な時刻に従って行う業務などに利用され始めた。
自由民権運動が盛んになり、新聞などを通じて権利の拡大が主張されるとともに、政治の仕組みを研究する中からさまざまな民間憲法の草案が作られた。
四谷の鉛筆工場で国産鉛筆の製造が始まり、役所での文書作成などに利用され始めた。
初の本格的な政党内閣が組織されるなど普通選挙への要求が高まる中で、労働運動や社会運動などの生活向上を求める動きが盛んになった。
滝野川の製作所で国産小型ミシンの製造が始まり、家庭での縫製などに利用され始めた。

正解

イ→ウ→エ→ア

解説

イは明治の文明開化期のできごとで、1871年(明治4年)に郵便制度が作られ、翌年の1872年に学制が公布され、さらに新橋横浜間に鉄道が開通しました。この年の12月2日で天保暦の使用をやめ、その次の日が明治6年(1873年)1月1日になりました。

日本橋郵便局には現在、「郵便発祥の地」の碑があります。

ウの自由民権運動の際に民間で作られた憲法草案は私擬憲法と呼ばれています。自由民権運動に対して政府は新聞紙条例を制定し新聞を規制し、運動を抑え込もうとしました。

四谷の鉛筆工場は現在の三菱鉛筆です。

エの大正時代では普通選挙を求める運動、都市部での労働争議、農村での小作争議、女性解放運動や部落解放運動などのさまざまな社会運動がひろがり、大正デモクラシーの風潮が形成されました。

滝野川の国産ミシンは現在の蛇の目ミシンです。

アは第二次世界大戦後の高度経済成長期で、芝浦の製作所は現在の東芝です。