公立高校入試の歴史並び替え問題

年代の数字を覚えることは重要ではありません。できごとの内容と前後の関係を理解しましょう

歴史並び替え問題第9問(2010年度東京都公立高校入試)

問題

次のア~エは明治時代から昭和時代にかけての、東京の流通に関する主な出来事について述べたものである。時期の古いものから順に記号を並べよ。

日ソ共同宣言が調印され、我が国が国際連合に加盟し国際社会に復帰する中で、貿易量が増大し、東京国際空港(羽田空港)では外国との航空物流が始まった。
サラエボ事件をきっかけに第一次世界大戦が始まり、我が国は重工業を一層発展させる中で、国内での流通が増大し、新橋駅は汐留駅と改称して貨物輸送の新たな拠点を作った。
欧米各国が世界恐慌の影響により長期にわたる深刻な経済危機に陥る中で、我が国の経済はいち早く回復し始め、築地には生鮮食品などの流通を担う東京中央卸売市場が開業した。
欧米各国の先進技術を導入する殖産興業政策により官営模範工場が建てられる中で、政府は海運会社を設立し、隅田川河口(霊岸島)を拠点として函館や大阪へ貨物輸送を始めた。

正解

エ→イ→ウ→ア

解説

良問なのか悪問なのか、評価に困る問題です。流通の部分を無視して殖産興業(明治)、第一次世界大戦(大正)、世界恐慌(昭和戦前)、国連加盟(昭和戦後)、に注目すれば比較的簡単に解けますが、選択肢の中の情報量の多さに戸惑う生徒も多いでしょう。また、世界恐慌を覚えていなくても築地市場の歴史を知っている、そんな生徒もいるかもしれません。

 時代とともに、船、鉄道、航空と貨物輸送の方法が増えていく事にも注目です。ただし現代の国内貨物輸送の主役ははトラックです。